『日本の中央銀行』
こんにちは、万年主任です。
前回は、景気対策の話をしました。
そのなかで、景気対策を担う日銀という機関が出てきましたが、今日はその日銀の話です。
中央銀行とは、国全体のことを考えて政策を行う銀行のことを言います。
日本では日銀ですが、アメリカではFRB(連邦準備制度理事会)、ユーロだとECB(欧州中央銀行)といいます。
日銀の使命は、前回話したように国の金融政策を担うことで、物価を安定させ、経済を安定成長させることです。
そのために日銀は、三つの役割を持っています。
一つ目は、紙幣の発行です。
これは、日銀だけの重要な権限になります。
紙幣の偽造は国の信用に関わってくる犯罪なので、かなりの重罪になりますし、誰でも発行できてしまうとお金の価値が下がり、インフレになってしまいます。
紙幣の発行を日銀だけの権限とすることで、現金の量をコントロールして物価を安定させ、経済を安定させるのです。
二つ目の役割は、一般銀行のための銀行ということです。
これは、りそな銀行や三菱UFJ銀行といった一般のぎんこうが、日銀にお金を預けたり借りたりすることです。
以前、一般銀行の間でお金の貸し借りをするという話がありましたが、なぜ日銀から借りるの? と思われるかもしれません。
たしかに、他の一般銀行から必要な分だけすぐに借りられれば問題はないのですが、経営状態によってはそうもいかない時があります。リーマンショック級の経済危機は、残念ながら不定期でやってきてしまいます。
お金を借りられないことで、銀行が経営危機に陥ってしまえば、日本の経済に対する影響が大きすぎるので、日銀がお金を貸して安定させます。
これが一般銀行のための銀行という役割です。
三つ目の役割は、為替を安定させることです。
なぜかというと、為替は日本の景気と密接にかかわっているためです。
為替が安定しないと、海外と取引する貿易などの際、不利になります。
為替の急変動を抑えるため、時に日銀は為替に参入し取引します。
円高に振れていれば円を売り、円安になり過ぎていれば円を買います。
日銀は大量に資金を持っているので、為替に影響を与えることができるのです。
最近だと、つい先日トルコの中央銀行が為替介入したと言われていますね。
確証はないそうなのですが、多分価格の下落を防ぐためにトルコリラを大量に買ったとみられてます。
これが三つ目の役割です。
それでは今日はこの辺りで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これが三つ目の役割です。