万年主任の経済寺子屋

経済のことについて、いちから学べるような記事を書いていきます。

『日銀は政府の傀儡?』

こんにちは、万年主任です。

 

前回は、日本の中央銀行である日銀についての話をしました。

そこで、日銀は日本の景気をよくするための金融政策を担っていると解説しましたが、同じく日本の景気をよくするために仕事をしている政府の指示を受けているの? と思われる方もいるかもしれません。

 

たしかに、日銀の総裁は内閣が任命しますので、そう思われるのも仕方ありません。

結論から言うと、日銀は政府からは独立した機関になっています。

これは、日本だけでなく海外でも同じです。

 

もし日銀が政府の支配下にある機関であった場合に起こる問題点を考えてみると、その理由がわかります。

政府は国をよくするために、様々な政策を実施しています。

ただ、その政策を実行するためには、莫大な資金が必要です。公共事業、インフラ整備、学校や病院などの公共施設を作ったりと、とにかくお金がかかります。

平成30年度の例ですが、国の政策などを実行するための支出が97.7兆円で、税収が59.1兆円です。全然足りてないですね。

この足りない分を政府は国債を発行して補うのですが、誰が買うのかというと日銀です。

日銀はお金を刷る権限があるので、理論上はいくらでも買えるわけです。ちなみに、発行済みの国債の大部分を持ってるのも、日銀と一般銀行です。

日銀が政府に言われるままに国債を買っていると、世の中に出回るお金の量が増えて、インフレが起きてしまうかもしれません。

日銀の役割の一つに、流通するお金の量をコントロールして物価を安定させるというものがあるので、真逆ですね。

お金がいくらでも出てくる財布があると、各省庁の概算要求通りの予算を渡してしまうかもしれないですし、選挙が近くなれば、支持率アップのためのバラマキ政策を国民に約束してしまうかもしれません。想像しただけでやばそうなのがわかりますよね。

 

こういった事態にならないように、日銀は政府から独立しているのです。

 

それでは今日はこの辺りで。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。